つむぎ。「久留米絣(くるめかすり)を語りたい。」

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絣ってどうやってつくるのか?~機械織り編~

皆さん久留米絣と耳にしたことがあっても、どうやって作られているか考えたことはありますか?

 

久留米絣って高いよね」「いいものっていうのは分かるんだけど‥」
という声を耳にしますが、今日は久留米絣ができるまでをご紹介させていただきます!

 

機械織りと、手織りでは工程はほぼ同じなのですが、内容が違いますので
今日は機械織りの方をお伝えさせていただきますね!!

 

久留米絣ができるまで~約30もの工程がある~

 1.柄つくり(図案)

柄のデザインを行う

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2.絵紙(えがみ)

デザインした柄を方眼紙のような図案専用の用紙に書き、経緯(たてよこ)糸の配分・配置を決めます。経糸だけでも柄・糸の種類によっては1100本近くの糸を使用します。

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3.下絵
生地は仕上がり時に縮みが生じるため、縮み分を考慮し、絵紙を書き直します。例えば丸い水玉模様を作る際、縮むことを考えて、下絵では真ん丸ではなく、少し面長になります。

 

4 .はえ(たてはえ

必要な経糸を用意する工程です。通常750本~1120本の経糸を使用します。(一反分は幅38m・長さは12.9m)

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5.緯はえ(ぬきはえ

経糸と同じように必要な緯糸を用意する工程です!

 

6.糸たき(精錬)

糸の不純物を取り除くため2~4時間ほど沸騰したお湯につけてます。

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7.さらし(漂白)

美しい染め上がりのため(ムラにならないように・染料が均等に入るように)糸を漂白します。

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8.のりづけ

糸の乱れを防ぐため糸にのりをつけます。

 

9.括り(くくり) 経糸も、緯糸

染めたい所、染めたくない所と分けるために、染めたくないところに綿糸を機械でくくります。くくった部分が染色時に色がつかず解いた時、白く残り、織った時に柄になっていきます。

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10.化学染色

糸に色を付けていきます。染め方はいろいろ。

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11.水洗い

染めたときついた不純物などを洗い流します。

 

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12.絣解き(かすりほどき)

括った綿糸を解きます。因みに下のくるくるした綿糸は括っていた綿糸です。昔は破棄されていましたが今はくるくるしたものを綺麗に伸ばし販売などされています。編み物をされる方に人気だそうです。くるくるした見た目もなんだかかわいいですね。

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13.水洗い

もう一度水洗いをします。染めた色が際立ちます。

 

14.のりつけ、乾燥

織りの工程へ入る前、糸が乱れないように再びのりづけし天日干しをします。

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15.経割(柄合わせ)

経糸を柄になるように束ねていきます。
※(ずれないようにところどころ糸を縛って止める。)

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16.割り込み・筬通し

絵紙で決めた糸数にならい無地糸とかすり糸を並べていきます。

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17.経巻き(たてまき)

織機に経糸をセットするため巻き箱に巻きとります。

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18.アゼかけ(綜こう通し)

巻き箱に巻き取ったものを上下に分かれた綜こうに通す。

 

19.機仕掛

経糸を一本一本繋いで機械にセットする。

 

20.緯割

図案の配分を考えて、緯糸を糸篠(いとししの)に合わせて割っていく。

 

21.枠上げ

割った緯糸を緯取枠(ぬきとりわく)に巻き取ります。

 

22.管巻(くだまき)・トング巻き

緯糸をトングに巻きとります。

機械にのせたとき左右に一生懸命動いているのがこのトングです!

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23.織り

1人に4台担当しています。数時間に一度機械の点検をし、またその日の天気や湿気具合によって、打ち込む力をけえなければいけません。

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24.湯のし・乾燥

織り上がった布を防縮・色とめをかねて湯通し、乾燥させます。

工程途中につけたのりが取れ、綿の素材が優しく感じられるようになります。

 

25.整反(せいたん)

傷などの有無を検査・確認していきます。 

 

 

まとめ

約30工程を約1か月半ほどかけ作られていきます。

織機織りといっても、技術や時間が多くかけられていることがわかりますね!!